露地栽培全体

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趣味家の行先


1 出発点(私の)
 サボテン、多肉植物を趣味としている者の一人として、どのような収集過程をとるのか、またどのような目的、意識を持って収集するのか考えて見たいと思います。
40年前、私が中学生の頃、サボテンブームでどこの家にも一つや二つのサボテンが軒下にあったものです。
私がサボテンに興味を持ったのは中学2年のときです。まだ子供といっていいかと思いますが、ゴミ捨て場に落ちていた「葉団扇」サボテンを拾ってきて庭に植えました。当時は町営住宅に住んでいましたが、その場所は海の近くにあり、廻りを含めて地面は細かい砂だらで地面を数メートル下に掘っても砂で普通の土はありませんでした。
サボテンというのは砂漠の植物で砂の上に育っているとの知識しかなく、砂だけで育つものと思っていました。
拾ってきた「葉団扇」を露地植えにして、毎日水をたっぷりとかけていましたが土は砂ですから水をかけてもすぐに引いてしまいます。

毎日、毎日水をたっぷりかけていましたが枯れることはなく少しは成長していました。ある日、近くにいる友人の家に行ったときに軒下にサボテンがあるのを見つけました。
マミラリアの「松霞」「銀手毬」「金手毬」「花盛丸」「短毛丸」等数種類のサボテンがありました。
どれも強健な種類で子をつけていましたので、友人に頼み子を分けていただき、鉢もわけてもらい、もらったサボテンを見よう見まねで鉢植えにし軒下に置いていました。
近所には小さな温室(フレーム)で栽培している方もあり、その方からも数種類分けていただきました。「三保の松」「白妙」「高砂」「金烏帽子」「白桃扇」「緋縅」等だったと思います。また、サボテンの栽培についてフレーム、温室がいること、培養土、水掛等のことを教えてくれました。
そうして近所から集めたサボテンは20種類ほどになり、中学3年の時にはフレームを作成しました。
海が近くという事もあり、材料は海から拾ってきた木材です。友人に手伝ってもらい、高さ1.5メートル、幅1メートルで4段のものです。周りはすべてビニールで覆いビニールの端をくるくると回しその中に押しピンで止めて完成です。
私の場合このような過程でサボテンに興味を持ち収集を始めました。
ある程度、年を重ねている人は私と似たようなことからサボテン趣味家となったのではと考えています。
今はどうでしょうか?最近はサボテンがある家を見ることはすくないかと思います。今は、100円ショップ、ホームセンタで一般の草花と同様に販売されていますので、それを購入した一部の人がサボテン趣味家となっているのではないでしょうか。

2 収集過程(私の想像)
収集初期は、100円ショップ、ホームセンタ、デパート等で手当たり次第に購入するというのが普通でしょう。
サボテンに対する知識はあまりありませんが、この時期にサボテン栽培については
温室、フレームがないと栽培が難しいことが判ってきます。
また、植物一つ一つについてその植物の特性、栽培方法、花、原産地等興味を持ち始めます。インターネットで調べたり、インターネットで得た情報により
サボテン業者からカタログを取り寄せたり、フレームを自作したりすることになります。
インターネットで得られない情報についてはサボテン誌を購入し知識をつけます。
綺麗に早く育てることは趣味家であればだれでも考えていることで、植替え時期や培養土についても知識をつけ、自分なりに工夫をします。
こうして普及品を一通り集めると、その中に特に自分の好きなサボテンや、興味のあるサボテンが出てきます。
また、サボテンの知識もだんだんとついて来て栽培の難しい種類、花の美しい物、刺の美しさ強さ、形や体色、綴化、斑入り等へと興味が移り自分の好みのサボテンが出てきます。
花が好きな人であれば「ロビビア属」「エキノプシス属」「レブチア属」等が中心となり、春には花が咲き乱れおとぎの国のようになることでしょう。また、刺が好きな人は「フェロカクタス属」「エキノマスタス属」に柱サボテンも加わり赤、黄色、黒、白と花に負けない色とりどりの刺で温室が満たされ原産地を想像させることでしょう。
さらに形や斑物が好きな人はカタログ等から発表される物を注意し逃さず購入したり、自分で実生を行い型変わりや、万遍と散った斑入りを育てることに生きがいを見つけることでしょう。

そして良い苗を育てるため、
サボテンの環境を整えますフレームの大型化や温室の通風、機能を考え工夫をし培養土、鉢、病虫害、実生、接木とどんどん高度な栽培へと変わって行きます。
栽培方法に手を掛け時間をかけて栽培経験が長くなり、
年数を重ねてサボテンも本来の姿を見せ始めます。
ここまでくると
趣味家として中級者となります。ここまでは私も含めほとんどの人が通る過程だと思います。(私はここまでは到達していなくこれからです)。
これから先は上級者の範囲となりますが、中級者が上級者になるにはここからが難しいところだと考えています。何を持って上級者とするのか、非常に難しいことと思っています。
より良いサボテンを手に入れるため、サボテン業者の温室訪問をして栽培環境をみて参考にしたり、
地域のサボテンクラブ加入し技術の向上を図ったり、また、経済力があり、行動力のある人はサボテンの故郷(原産地)を訪ねたりすることでサボテンをより理解しようとします。

3 「上級者」と「名人」と「プロ」の違い(私の考え)
上級者とはサボテン栽培について、培養土から始まり、病虫害の対策、接木、実生の技術も高度であり、フレーム、温室については自分の居住する地域にあった物を工夫し作成し、また、主なサボテンの種類について特徴を把握して栽培に生かしていること等一通りの知識(属、原産地、一種類ごとの学術的な違いまで精通している必要ない)を持ち、栽培しているサボテンはある程度の観賞価値があるものとなっているこれくらいが揃っていれば「上級者」と考えます。
名人となると上級者との区別がかなり難しくなります。今、サボテンの名人と言われている人は間違いなく上級者と言えると思います(一部そうでない人もいるかも)
名人と上級者との区別をあえてするならば、自分の得意な種類を持っており、その種についての栽培には誰にも負けないという自覚を持っている人。
栽培技術は普通でも名人と言われる場合があります。
経済力があり、サボテンを育てる環境を整えられる人です。サボテンの環境を整えるそれだけで立派なサボテンができるのは間違いないでしょう。
栽培技術は普通でも「属、原産地、学術的」に詳しい人、これも一種の名人といえると思います。
日本のサボテン栽培は今は
見た目に綺麗なもの、傷がないもの、形の綺麗なもの等を栽培している人が大半だと思いますが、それとは反対に原産地のサボテンを目指して栽培をしている人もいるかと思います。見た目は艶々してはいないし、形もそれ程でもない、傷至ってはあって当たり前だが、その栽培品を見ると圧倒される迫力がありそれこそ原産地に近いものを一般的な栽培室で育てている人このような方も名人の一人でしょう。
自分の好きな種類だけを集め他の種類については中級者の域を出ないが、集めているものについてはどれも素晴らしく輝いてだれもが納得出来るものを栽培している人
刺、花、斑入、型変わり等の名人と多種多様な名人がいるでしょう。
また、選別栽培をしより原種と違ったものを作りだしたり、より鑑賞価値が高いものを目指していたり、実生により変わったものを作出したりしている人も名人と言えるかも知れません。ただし、
趣味家であることを考えると新しく作り出した物については作出過程等を広く公開をすることが条件となります。公開しないで自分だけのものとして秘密にしている人は名人とは私は認めません。
そういう意味では名人と言われる人は責任も伴うと考えています。私達素人や、中級者または上級者、他の名人に対して、自分の持っている栽培技術を公開してサボテン趣味家全体のレベルを上げていくことが責任として課せられていると思います。
いくらすぐれた栽培技術を持っていてもそれを人に教えることがなければ、サボテン趣味家たちの大変な損失になると考えます。次に述べるプロとなれば話は違いますが趣味家である以上みなさんに公開をしていただきたいと思っています。
どのインターネットを見ても栽培技術等については初心者に教えることしか載っていません。
プロとはどういう人をいうのでしょうか?、今、名人とプロが曖昧になっています。名人と言われている人の多くが私はセミプロと中途半端な人が多いと感じています。
プロとは名前のとおりです。
サボテン業者さんはすべてプロでなければいけません。
カタログについては種属はキチンと記載してほしい、私達はそれにより判断し覚えます。似た種属をまとめて○○属として載せてあるカタログの多いことプロである自分はわかっても素人はわかりません。プロ意識が薄いといわざるを得ません。そういうことがきっかけでいろんな混乱が起こっているかも知れません。
プロ同士(世界中)が集まっての意見交換とかあるのでしょうか。少し道をはずれましたが、サボテン業者さんはすべてプロだということです。
また、サボテン誌を出すような人もプロでしょう。プロである以上サボテンの栽培技術、学術的な知識、病虫害、対策は当然高度でなければなりませんしサボテン栽培の付属としての鉢の機能、温室等設備の知識も高度なものを必要とします。趣味家とは一線をひいた技術の差があるのがあたりまえです。名人と呼ばれる人の中にはプロ並みの技術を持っている人もいるかもしれませんが、すべてをトータルするとやはりプロが一段上というものだと思います。
プロは趣味家の目標、先生でなければなりません。
では私の言うセミプロとはどういう人でしょうか?それは
名人と言われている人でサボテンを販売している人を私はセミプロと言わせていただきます。サボテン業者であれば利益をあげるのが目標ですから、サボテン栽培の技術にしても、新種や変り種を作り出しても他の業者や趣味家にも教えることはないでしょうし栽培技術等においても趣味家の追随を許さないほどの技術を持っているとおもいます。
しかし、セミプロの人はどうでしょうか、栽培技術は趣味家のなかでは一流でしょうがサボテン栽培全般についてはサボテン業者には
ばないが変り種が出来た場合、また、選別育成等ででた観賞価値の高いものについてそれを元に子を作り販売をするとか中途半端なプロ、趣味家(名人)が増えていると思っています。
個人名のついたサボテンをだしている趣味家はどうなのでしょうか。プロですか趣味家ですか?
いろいろと言ってきましたが私はどのタイプの趣味家になるのでしょか?自分でも今はわかりませんが中級者くらいにはなりたいと思っています。
ただ、私は露地栽培をしていますので日本で露地栽培をしている趣味家はどのくらいいるのでしょうか。ほとんどいないと思っています。
そう考えるとたいした栽培技術や知識を得なくても露地栽培の上級者になれる気がしますが、目標は技術や知識がしっかりとした上級者をめざしています。



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