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考え方いろいろ
1.サボテン原種の保存について(なぜ日本は交配雑種が氾濫したのか) 世界のサボテン業界、趣味家のサボテン収集はどんな形でされているのでしょうか、日本での収集は昔と違って大きく変化していると思います。 サボテン、多肉植物の種類は大変多く全種類を収集するのは難しいでしょう。 昔はこの多種あるものを揃えるのが大部分の趣味家の目的であったと思います。そして原種の保存という意識が強く交配種は交配過程をキチンと記録して販売等なされていたと思います。 交配した物で形の変わった物が出来た場合、私は育てずに破棄していました。当時のサボテン誌には交配種の扱いが原種の保存という観点から変な物は市場に出さないと記述がなされており、個人で楽しむ場合のみ許されるとの解釈がなされていたと思います。 しかし、現在は交配雑種が氾濫しています。なぜ、日本は交配雑種ばかりになってしまったのでしょうか。 第一の原因はサボテン業者にあります。また、一部の趣味家の影響も大きく係わっていると思います。 一部の趣味家とはどのような趣味家でしょうか。一般的に経済力=有力者=知識人=指導力があると考えてもよいかと思います。 このような力を持った趣味家のサボテン収集はどのような収集過程を通るのでしょう。 自分に経済力や知識等があったらどうなっていたのか考えるとまず、いろんな種を出来るだけ集めます。 一通り集めると、次は珍しい物、変わった物、栽培の難しい物、、原産地球がほしくなり経済力に任せて収集します。 それも一通り集めると今度はいかに早く、綺麗な苗を作るか、いかに人が持っていない珍しい物を手にするかを競いそれを手にして充実感や優越感を感じます。 そのような状態が続いているうちに偏った趣味感を持つ趣味家が現れ、市場に流通している普及品は駄物という扱いになり、変り種や貴重品へのこだわりがさらに強くなります。 普及品を駄物と扱い始めた時点で趣味家としては失格 また、業者から手に入る物は他の趣味家も所持することが出来るため自分しか所持していない物がほしくなり交配や選別育成により珍しい物を作りたいと思うようになります。 こうして選別育成や交配種により少し変わった物が出来るとさらに変わった物と段々エスカレートして原種の保存という基本が忘れられてしまいます。 業者は趣味家と違った形での経過をたどります。 業者は利益を上げるのが目的ですから、利益の上がることであれば何でも行います。しかし、昔はそれでも原種の保存と言う事に注意が払われており、原種の保存が業界を守るという考えがあったと思います。 変わった物といっても斑入り、綴化等が主であり、また、原産地球を輸入して趣味家の期待に答えていました。 原産地球が容易に手に入ることが出来ているころは、趣味家も極端な選別育成や交配種の作出には向かいませんでしたが、サボテンの輸出が規制されるようになると今まで簡単(お金を出せば)に手に入っていた物が手に入らなくなります。 観賞価値の高い物、貴重品、栽培の難しい物が簡単に輸入できない状態が続く中で業者や経済力のある趣味家はどう考えたのでしょう。 それは今手元にある貴重品や、観賞価値の高い物、人気が高い物を実生しその中から出る優れた物を珍重しそれを元にさらに選別や交配を繰り返しさらに変わった物を作り出しました。 業者と趣味家の目的は違いますが、選別育成、交配種の作出という栽培方法は一致しました。 変わった物を作出すると趣味家としての名声が上がり、充実感が出ます。業者も同様でこれが無秩序な状態を作り出しました。 本来原種を守るべき業者が利益を得るため進んで交配種を作り出し、原種よりも観賞価値が高く貴重品であることを宣伝しそれに趣味家も共感しました。 確かに観賞価値の高い物が沢山作出されていますが、原種をないがしろにしてまで価値があるとは思えません。 交配すれば変わった物が出来るのは当たり前ですが、それがいかにも作り出したことに価値があるとして市場に氾濫しました。 このような状況は弊害があっても利なしの状況です。原種があればいつでもその様な物はできるのですから どの趣味にしろ変に自論説を語る実力者がいていろんな混乱をもたらします。 交配種を作出する人達に言わせれば、原産地でも自然交配があるので人間の手で交配しても問題ないとの考えもあるでしょう。 しかし、それはキチンと整理、管理されて初めて言えることで今の無秩序の状態ではないのです。 なお、情けないことに観賞価値が高い物、貴重品でも栽培の難しい種は敬遠され接木という安易な方向へ向かいました。 結果、正体の判らないサボテンや個人名のついた物が氾濫し、業者や趣味家が作出した交配雑種にそれらしき学名をつけています。 幾人もの趣味家、業者がすごい数の交配雑種を作り出しており、それを世界に先駆けていると自慢さえしている状況です。 交配雑種は市場に出すべき物ではなく、個人で楽しみ厳格な管理をして市場に出さない努力をしなければならないのです。 ましてや業者や趣味家の名人、上級者は人にいわれなくても守るべき人達です。 どの趣味でも交配雑種を作らないで原種を守るということの方が大変難しいのに、交配雑種の氾濫が世界に先駆けていると自慢しているのは残念な考えです。 整理、管理がない状態での交配種等の作出が大きな間違いでいずれ原種の絶滅という事態をもたらすのです。 原種の保存ができているということであれば問題は軽くなりますが、今の日本でそれが出来るのでしょうか。 日本中の業者、趣味家が協力して原種の保存を考え、原種を保存する場所を確保し将来に渡って維持、研究することができればよいのですが、日本でできなければ世界の中で考えるべきだと思います。 趣味家も保存、研究する資金の補助と言うことでサボテンの価格に上乗せして協力をし、交配雑種については別ジャンルとして市場で確立するという方向に向かってほしいと思っています。 2.培養土について 培養土については原産地の土壌を参考にし作りたい人もいるかと思います。 原産地の土壌の成分について、石灰分の多い土、肥料分が多く普通の畑が出来るほど、瓦礫まじりの土等のことが記載されているが、実際のところはどうなのでしょうか原産地を訪問したことのない趣味家の大半はまったく想像もつかない事だと思います。 さらに詳しく、加里や燐酸、窒素、PH等記してあるが一般の趣味家がこれらを参考にしようとしても実際に参考にできるだけの情報となっているのか、またその情報によって培養土が作れるのか疑問に思います。 私はどのような配合で作っていいのか判りません。よって、原産地の写真をみて土の状態を想像し、生育している場所を参考(成分はわからない)として、多湿に弱いとされている種類については山砂とぼら土(ほんとうは軽石を使用したいが高価)そして腐葉土と籾殻の燻製に若干鶏糞を入れた物で微塵は抜きません(原産地の状態を見ると瓦礫の中の僅かな土に生育しており、その土は微塵どころか粘土状の土といっていいくらいですので微塵はあえて抜かないようにしています。)を使用、また多肉植物や多湿に強いもの強健種といわれているものについては、前記の培養土に真砂土を混ぜて使用しています。特に多肉植物には適している感じがします。 前記に記述したホームページの原産地の写真を見ると、ただ驚くばかりです。土が全くない岩の上や岩の間等にはち切れんばかりに生育したコピアポア属、パロジア属、アカントカリキュム属、オプンチア属等言葉も出ないくらい素晴らしい物が育っています。一般に言われているサボテンは肥料が好きとは原産地の状況を見る限りとてもそうは思えません。コピアポア属の「黒王丸」等が日本ではあまり白くならないのはこの辺にも原因があるかも知れません。原産地の岩の割れ目等に育っているサボテンを見ると、岩(石)で周りを囲み普通の土を僅かに使用し肥料を全く入れない培養土(岩の割れ目で育てる感じにする)で水を切り強光線で栽培というのもあり得ると考えます。 ただ、他の培養土(業者から購入、サボテン誌、インターネットに記載されているのを参考)を使用して比較したものではないし、わたしの想像ですのであまり参考になりませんのでそのへんは理解をお願いします。 3.栽培方法について 栽培方法の紹介が画一的であり初心者の初心者しか参考にならないことしか記載されていない。 ベテランの趣味家の栽培記録が見当たらない。 たとえば誰しもが知りたい「大平丸」や「有星類」の栽培方法の詳細な方法等、培養土から鉢、環境、水遣り、陽あたり、実生からの育て方等個別の栽培方法があればそれを基準として他の種類も考えることができると思うが一般的なことを書かれているとどの種類を基準として一般的としているのか、また、すこし難しい種類についてはどうすればいいのかとの判断が素人では難しい。 難しい種類を立派に育てている趣味家が沢山いると思いますがなぜその栽培方法が公開されていないのか、自分だけの秘密とかで公開していないとしたら非常に残念です。 4.接木物の育て方 サボテンの栽培に接木は欠かせないものです。接木の台もいろいろと研究されていますが、昔とあまり変わらないものが使用されています。 代表的なものとして、三角柱、竜神木、袖が浦、短毛丸、大稜柱、朝霧閣、宝剣、杢キリン等他にも沢山あるようですが、三角柱、竜神木、袖ヶ浦で90%以上が使用されていると感じています。 三角柱については極小さい苗を接木し急速に大きくし花を咲かせることができるので業者のすべてが利用しています。 ただ寒さに弱く長く台木として利用できないという性質があります。 竜神木は万能接木台としてサボテン業者、趣味家の上級者、名人の万人が認める優秀な接木台です。 ただし三角柱ほどではありませんが寒さに少し弱いという性質があります。(サボテン公園のところで述べているもので、竜神木が屋外(露地栽培)されていて元気に育っていますので寒さに弱いとは言えないかも、ただ温室育ちの竜神木は寒さに抵抗力はないと思います) 袖ヶ浦については寒さに強い台木の代表で寒暑に強く、接木した後も長く栽培でき非常に優秀な接木台ですが活着するのに少し苦労するようです。 以上、サボテン誌等にはこのように記載されています。(私は接木は全くといっていいほど経験がありません)そして、接木物の栽培方法についてはどのサボテン誌、インターネットを参考にしても、「接木物の栽培は接木台の栽培方法でよい」とありますが、私は大いに疑問に思っています。 前記でも栽培方法については初心者に対しての記述しかないことを書きましたが、接木物も同じ状況です。 上級者や名人は判っているのでしょうが、「接木台の栽培方法で良い」というような簡単なものではないと思っています。 接木は性質の違うものをくっつけて栽培をしているわけですから、当然2種類の栽培方法を参考にしなければならないと思います。初心者に教えるのであれば無難に台木の育て方で良いとするかも知れません。 5.刺について 豪刺、強刺、白刺、黒刺、等いろいろと同じ種類でも分けて販売されているがわける必要があるのでしょうか?強刺、豪刺と普通の刺とどのくらいの差があるのか、栽培方法によっても刺の強さは違ってくるわけだが、同じ条件で育てたもので豪刺、強刺と区別しているのでしょうか。 また袖ヶ浦等に接木をすれば強い刺がでることが記述されている。 どの条件で区別されているのかよく判らない。次に白刺と黒刺であるがこれもよく判らない。 最近購入したギムノの「黒刺良寛」の刺をよく観察しても黒刺と区別するほどではないし区別する価値もない。 さらに「宇部常盤公園」で見た「白刺金鯱」であるが、小さい(30cm)ものでは確かにほかの金鯱の刺と比べると白刺といってもいいかも知れないが、「白刺金鯱」の太球(50cm以上)がその横にあったがその刺は白、黄と比べるほどではなかった。 よく見れば白刺といわれればそうかなと言う程度の違いである。そもそも白刺とはきっりわかる30cmの白刺金鯱にしても白刺金鯱といって区別するほどの観賞価値、収集価値の差はないと考えます。 他のサボテンについても同様に区別するほどでもないものが大部分です。区別してあたかも観賞価値が高いように見せたり、自己満足をしている範囲ですが、サボテン業者はそれを利用し高額な金額で販売をしています。また、それを望む趣味家がいるのかも知れませんが趣味家の眼力、常識が疑われます。(反対に私に眼力、常識がないのかも知れませんが、今はそう思っています) 6.選別育成について(交配種も含め) 選別育成については私も賛成ですが、純粋な物同士で作るのが基本ですがそうでは無いような気がします。(最悪が他の種と交配した戻し交配でこれは選別育成ではなく種の判定が困難な交配雑種の育成です。) いま、サボテン界は選別育成や交配種の作出をしなければ一流のサボテン収集家でないと言えるほど選別育成や交配種の作出が盛んになっている感じがします。 いろんな属の代表種の選別育成や交配種の作出が行われており、特に有星類の兜、エキノマスタス属の大平丸等人気がある種については激しく、わずかな違いを強調し「個人名」のついているものも沢山出ているが、どれを見ても区別するほどのものではないと思います。 テロカクタス属の「多色玉」については選別種で刺の特に強いものを「紅鷹」として販売されていますが、現在ほとんどの業者さんは多色玉を含め「紅鷹」の名前で販売され、「多色玉」の名前は消滅したといっても良いくらいです。 これは選別種のほうが観賞価値が高いと一般的に思われているので販売するに当って有利に働くためこのような現象が起きているわけですが、種の混乱の元になりかねませんので他の種を含め危惧しています。 特に個人名をつけてあるものには抵抗感があります。 太平丸や兜類等についてはどのタイプも魅力あるもので少し刺が強く出たからといってことさら区別をしなくてもよくただ単に観賞価値が高いだけであり、ことさら区別をして観賞価値を高めようとする栽培家や業者がいることは残念と考えています。 私は今の有星類で一番好きなのは普通の兜であり普通の兜を見ると気持ちの落ち着きさえ感じますが、本当の原種の兜があるのか疑いたくなります。 大平丸にしても観賞価値の差はあるとしても個人名をつけてまで区別するほどのものではないと考えます。 有星類、太平丸の原種、交配種についてはもう取り返しのつかないほどの混乱をしている状況だと感じています。こうなればなんでもありの世界に入っています。(この先は遺伝子組み換えでの新種作出に向かって行くと思いますが、その時はサボテン収集をやめます。) 変わったものを作りたいと思う気持ちはわかりますが、少しの違いを強調し名前までつけるのはどうかと思いますしその点では業者の責任が重いと感じますし私達趣味家も反省が必要です。 また、交配種についてはもっと深刻で販売するに当っては交配の過程をキチンと整理することは重要だと思っています。 趣味家がいろんな交配をして作出した観賞価値が高い種も交配過程がはっきりとしていないものは販売すべきではないと思っています。(今、販売されている物はすべてキチンと管理されているということであればいいのですがどうもそうではないような気がしています。) 考え方としてどのような選別、交配であっても観賞価値が高ければよいという方も多いと思いますが本当にそうでしょうか? ただ、このような状況になるのは植物界ではごく自然の流れとも受け取れますので、そうであれば原種とその他とキチンと区別し整理、管理、販売等をするように業界でしてほしいと思っています。 最大の問題は戻り交配等を繰り返して作った交配雑種を原種として販売していることです。これは絶対にしてはいけないことと思っていますが残念なことに多くの種の交配雑種が原種の名前で販売されていると感じています。 7.サボテン、多肉植物の値段について 前記の選別育成とも関係があることですが、わずかな違いを強調していろんな名前をつけて区別し販売されていますがその販売額の高価なことに驚かされます。観賞価値や植物の価値にこれだけの差があるのでしょうか。 私は業者のカタログやインターネットをみても購入する気になれません。 反対に原種を探すのですが普通の兜、大平丸がない状況です。カタログも有星類、大平丸、牡丹類と一部の人気種で3分の1は割かれているという状態であり、どこの業者のカタログを見ても代わり映えしなく、カタログをみる興味が失われます。 サボテン趣味家はこのような限られたものしか収集しないのでしょうか。私はまだ初心者ですので上級者や名人と言われる人の気持ちはわかりませんが私は大平丸、兜、牡丹類等も好きですが一般的に駄物といわれているサボテンも大好きです。 サボテン業者も上級趣味家も、サボテン界のことを考えるなら初心者がサボテン収集しやすい環境をつくることに努力してほしいと思います。僅かな違いで区別し観賞価値以上の値段をつけたものが溢れていて、初心者がサボテン趣味にはいれる環境には程遠いと言わざるを得ません。 特に有星類については日本に原種が残っているのか疑いたくなるほどひどい状態でいろんな交配種を含め選別育成で作り出されたサボテンがいろんな名前をつけて高価な値段で販売されており、薔薇や菊の世界と同一となり、混乱をしていると感じています。 バラの世界を見てください。似たものが氾濫しほんの少しの違いで園芸品種として名前をつけ数え切れないくらいの数、また想像が出来ないくらいすごい数が出来ています。たしかに素晴らしい花が沢山作出されていますが少しの違いで園芸品種登録がなされ似た物が氾濫して区別が難しくなっています。 バラの世界ではただ新しい園芸種を作出したいという思いしか感じられず業者や趣味家の自己満足や売名行為としか思えません。 バラの原種は世界で約200種と言われていますがサボテンからみれば遥かに少ない数でしかも花だけを観賞するものです。 この200種という原種でも品種改良についてはあまり歓迎できませんがサボテンと比べると少しは理解できます。バラに比べサボテンの種類は非常に多くこれ以上の品種改良は必要ない種類の多さです。 それなのに原種の保存を忘れ交配雑種の育成をしているのはどう考え、どうするのでしょうか? 200種といわれるバラの原種が今残っているのでしょうか、私は判りませんが素人が考えても原種が全て残っているとは思えません。 サボテンがこのようになるのは絶対に避けるべきで原種の大切さを考えてゆかなければいけないと思います。 種類の非常に多いサボテンのこれ以上の改良は自然にまかせてゆっくりと時間をかけた中で創造される物で充分だと考えますが、すでに「有星類」はバラの世界に近くなっていますのでこのくらい混乱すればもう元には戻らないでしょう。 サボテン業者はせめて交配雑種を原種として販売はしてほしくありませんが日本の業者でそれができるところがあるとは思えません。 もはや有星類については名前も必要ないかも知れません。自分の目で見て観賞価値を決め自分の値段で購入するそのような方向に進んでゆくしかないと感じます。 8.学名について サボテンの学名、サボテン収集をするに当たり、学名というのはいやでもある程度覚えなければなりませんがこれがわかりにくい。世界の第一人者が集まり整理してもらいたいと思っていますが、そういう機会を作る場所を日本のサボテン業者組合なりが考えてほしいものです。 今のサボテンの学名は世界の個々人が研究した物をその個人の感覚で属、種名を整理し発表してそれを一部のサボテン業者等が取り入れて販売等されている気がします。 そのことを一番感じるのは同じ名前の物が多数ありひどいのは5つも6つも同じ名前(例「ギガンティア」)があるのは世界的な機関で決定されていないことが原因かと思っています。 個々人の研究は大事ですが属、種名は個人で考えるのではなくそれ相応の機関で扱うと今のような混乱したものにはならないと思います。 日本では和名がない種については各業者がローマ字読みでカタログ等に記載しているが業者によって読み方が違っているのでサボテン業界で統一してほしいと思っていますし和名が付いている物も読み方が統一出来ていません。 日本のサボテン界はこのような基本さえ出来ていない状況なのに園芸品種の作出、登録が多いのに驚きます。 基本をまずキチンとしてからの園芸品種等の作出が必要であるのに基本がおろそかにされたまま園芸品種の作出をしており今の状況は業者、趣味家の売名行為や思い上がりしか感じません。 また、産地別や変種については業者、趣味家等による交配によって純粋な種がない状況の物が氾濫しており姿形で似た顔の物がそれぞれの名前で販売、収集されています。 このように交配等によって混乱した種については原種と思われる種の名前に「交配」の文字を付けるように統一してはと思います。 9.サボテン公園の種類について 「栽培容易といわれながらサボテン公園にないものが沢山あります。屋外のサボテン公園、温室としてのサボテン公園をいくつか見て感じることは、サボテンの種類があまりないということです。 特に小さな種類はほとんどありませんし強健種といわれる「フェロカクタス属」の金赤竜、巨鷲玉、黄彩玉、王冠竜やノトカクタス属類もほとんどそろえてありません。 温室で育てるには適していると思う「マミラリア属、エキノプシス属」また、レブチア、ロビビア等の花物をそろえるといろんな意味で充実するし変化に富んで見る人をひきつけると思います。 巨大な温室、広大な屋外公園がありながらあまりにも育ててある種類が少なく残念です。 多肉植物はもっと少なくてほとんど見ることがありません。わずかにアガベ属や超強健種のアロエ類や「錦蝶」、「シコロ弁慶」「宝草」等がある程度です。 九州、山口、伊豆の6つの公園を見ただけの感想ですが、他のサボテン公園、植物園、屋外公園はどうなのでしょうか。 また、サボテン公園が少ないことに驚きます。伊豆サボテン公園並みの温室を各県で作ってくれると大変嬉しいのですが難しいでしょうね。 10.開花後はどうするのが最良か 2008年の春、沢山の花をつけてくれましたが、露地栽培のため開花期が遅く5月に入ってから咲き始め6月までつづきました。開花している途中で梅雨に入り長期間雨が降り続きました。花の後が雨に濡れてサボテンの肌に張り付いて生長点付近が被害をうけました。 また、ナメクジ等が花の跡を這っていたのでナメクジによる被害もあったかもしれません。 結実すると、それを取り除くのは難しくなるのと形が崩れるので種を取る以外は花が終わればすぐに摘み取るのがよいかと思いますが一番いい方法はどのようにすればいいのでしょうか。 11.サボテンの測り方 サボテンの購入をしたときに、サイズの曖昧さが気になります。サボテンの径の測り方はどうしているのでしょうか。刺を除いた球体部分で一番大きいところ、または球体の真中を測ることだと思いますが、それも測りにくく私の測り方は全く大雑把です。インターネットでノギスで測っているという人もありましたが、これも測りにくく正確に測るのは困難だとおもいます。 サボテン業者にしても同じサイズを注文しても明らかに大きさが違う物があったりしてどちらが本当の大きさなのか迷います。測り方の方法及び正確な測り方が知りたいと思っています。 12.サボテン、多肉植物の発根について サボテン、多肉植物の発根方法について詳細な記述がほしいと思っています。 さぼてん、多肉植物の子を外しての発根、サボテンを胴切したとき、輸入球、接木物のつぎ降ろし等の発根方法が判りません。また、今回経験した、アガベ属の発根は塊根部分からは発根はしなく、葉の縁から発根するというのをしりました。 このように発根に関していろいろな方法があるかと思いますが、これを知る方法が素人にはないと思っています。 13.実生について サボテンの一般的な実生の方法を簡単に説明します。 土・・・・・・・・赤玉土又は川砂を使用し1ミリの古いにかけた物を使用し微塵を取り除き、消毒を行う消毒の方法は熱湯をかけるか薬品(ウスプルン、ファイゴン等)による消毒をする。 土には肥料は入れませんを使用しますが、肥料を入れないで実生した場合、発芽後できるだけ早く植替えが必要になります。 肥料分がありませんので肥料のある土へ植替えをするわけです。 もう一の方法は普通の培養土に上記の清潔な土をかぶせてその上に播種する方法です。下には肥料のある土がありますのでしばらくはそのままの状態で管理できます。 種子・・・・・・・これも消毒をします。(アルコール等)鉢は堅焼き鉢がいいようです。 実生をすると発芽するまでと発芽してもしばらくは水を切ってはいけません。 発芽後のサボテンは小さいものは米粒よりはるかに小さいものもありますので、土が乾燥するとたちまち干からびて枯れるため、播種した後は乾燥させないように、腰水(鉢の受け皿に水を入れてその上に実生した鉢を置く)をします。 種子は指や紙で万遍なく蒔き水をかけますが土はかぶせません。 また、陽の当たる場所に置き、鉢をガラスで覆って中を多湿にします。(ガラスはちり紙等を貼り付けたものを使用)時期によりますが、播種後1週間くらいで発芽します。 発芽した後は、ガラスをした鉢の中が高温になりすぎますので、木切れ等をはさんで風通しをはかります。 第一回目の植替え・・・・・肥料をいれていない土に植えているので実生苗は発芽後できるだけ早く肥料分のある土に植替えをする必要があります。 発芽してどのくらいで植え替えるのか難しいところですが、専門家(技術の高い人)は1週間くらいで植替えしているようです。 一般的には2週間から3週間での植替えだと思います。ただ、培養土が下に入っているものでは2ヶ月くらいたってからもしくは苗が込み合ってからでよいと思います。 植替えは苗と苗の間が5ミリくらいあけて植えるのが良いでしょう。(詰めすぎくらいがよい) 第二回目の植替え・・・・第一回目に植え替えた苗と苗が接するくらいになると植替え時期です。 ガラスを外しますので乾燥、多湿に注意が必要です。 他いろいろとありますが栽培状況を考えて行くことになります。(もっと詳細を知りたい方は他のサイト「さぼはうす」を参照して下さい) 14.私の実生 私の実生は露地栽培をしていますのでそれに耐えるものを作らないといけないため一般的な実生はしていません。 実生をするにあたり考えたことは原産地の状況です。原産地のサボテンが花を咲かせ種子を付けて大きくなるのにどのようにして育っているのかを考えましたところたどり着いた結論が何もしない放任実生です。 土、種子の消毒はしない、播種は普通の培養土にじか植えにしてそのまま直射日光にあて遮光もしません。 ただし私の培養度は、軽いし、ぼら土等小粒を使用しているのでそれに播種すると種子が培養土の中(下)に潜りこんで発芽できなくなりますので、化粧砂のように赤玉土を少し潰して薄くまいてその上に播種しています。 その後することは、乾燥を防ぐために、水を入れた受け皿に実生をしている鉢を置くだけです。これもプランタを利用した場合は水がプランタの下に溜まるくらい掛けるくらいです。 秋に実生したものは冬の寒さや雨を防ぐためビニールを掛けています。 原産地のサボテンの種子は親の周りに落ちるか、鳥等により近くに運ばれて育つわけです。 これを考えると発芽直後から親と同じ厳しい環境に置かれるわけです。一般趣味家が行っている消毒や無肥料の土、蒸した環境、早期の植替え等、実生で行っている一連の作業環境は全くありません。 原産地の厳しい環境に負けないものだけが育って生き残っているわけです。 一般的な実生では、強いものをつくるということを目的としていなく、反対に弱い種を探して形の変わった物や斑入り等を見つけ接木栽培をして本来育たない苗を無理やり育てています。 これが悪いわけではないのですがあまりに偏っている気がして本来の趣旨が忘れられていると思います。 原産地の環境を考えそれに近い実生をして強い種を作りそれが日本の環境になじみ露地栽培でも原産地のような姿になってくれることを望んで何もしない実生を試しています。 悩みは種子もかなり高額なことです。特に太平丸類や有星類は高価です。なぜこんなに高価なのか理解できません。早く強い大平丸や兜を作り普及させたいと思っています。 また、ナメクジやバッタ、根きり虫等に悩んでいます。放任実生ということでプランター等に播種して屋外に出している状態ですから発芽するとナメクジの格好の餌になってしまい、高額で購入した種子が一晩で全滅ということも経験しました。 なお、私のような放任実生の場合、春撒きより7月後半からの実生のほうが発芽率が大変高くなります。 春はどうしても気温が低いため発芽率が悪くなり、発芽しても一斉とはならないで数ヶ月たって発芽する物も多くあります。特に種の大きい種類がその傾向にあります。 15.鉢植え栽培の疑問(植替えや水遣りについて) 趣味家のほとんどは温室栽培をされており、サボテンは鉢植えが主であると思います。 いろんなサボテンの本やインターネットで記載されている中で疑問に思っている一つに鉢植えでの栽培方法があります。 鉢植え栽培の一般的(普通)なサボテンの培養土は普通の培養土と多湿を好まないもの、酸性、アルカリを好むもの等分けられ、水遣りについては、春と秋は1週間から2週間に一回の回数で土の乾き具合により間隔を考える。夏は休眠をする種類があるので休眠をする種については水を控え3〜4週間に一回程度とする。 休眠をしない種類については1週間に一回程度とし水をやるときはたっぷりと鉢から流れ出るくらいとする。 冬は原則水を切って育てるが、天気が3日くらい続く暖かい日に水を掛けるが溢れるほどの潅水はしないとあり、また、多湿を好まない種については春、秋は2週間に一回くらいとし夏、冬は水を切って育てる。 鉢については100%といってよいくらいにサボテンよりも少し大きめの鉢(種類により多少大きさ、培養土の違いがある)を使用するとあります。 なお、鉢植えであるので1年に一回ないし、2年に一回植替えが必要であると、ほとんどの誌、インターネットでこのような方法が記載されています。 しかし本当にそうなのでしょうか? 私は、鉢植えにしても植替えをしない鉢植え栽培が出来るのではないかと思っています。 サボテンの根はどのくらい伸びるのでしょか。種類による違いはあると思いますが、一般に趣味として集められている玉サボテン径20内外のものは原産地ではどのくらい根を張っているのでしょうか。深さ、横とも1メートルも伸びているとは思えません。小さなサボテンについてはもっと少ししか根を張っていないのではないでしょうか、このことを考えると鉢植えでも植替えしないで育てる方法があるのではと思います。 要するに大きな鉢に植えるといいということです。大きな鉢に植えると多湿になって腐れたり、成長が思わしくないとのことが記載されていますが、培養土の作り方、水遣りの加減で解決できる問題です。特に温室で育てている場合は水遣りは加減できるので培養土の作り方次第で原産地のような状況の栽培方法ができるのではと思います。(空気中の多湿については難しいところがあると思います。しかし、冷暖房、除湿機を設置しないかぎり条件は同じ) 実生をして感じているのは植替えをしないでそのままの状態で4〜5年育てると原産地本来の姿に近い育ち方をする感じがあります。 球体は扁平になり、刺は強く、肌色も違うようです。 植替えは根を整理し培養土を変えるので新しい根が出るとその影響で成長が促進されるが急速な成長で促成栽培の育ち方になっているような気がします。 実生したままの状態で育てた物を抜いて見ると驚く程根が長く充分に張っています。このことが良い状態になっているようです。 ただ、場所をとることと、鑑賞するには不便であり、サボテンが小さいときは鉢とサボテンの大きさのバランスが取れていないので鑑賞価値が下がるということが考えられます。 16.交配種について(属、種名、分類名) いろんな交配種がでていますが、交配種という定義が判りません。 たとえば「黄裳丸交配」というものがありますが、これは「黄裳丸」と他の種を交配したものであると思いますが、「黄裳丸」を元にして交配する他の種はなんでもよくてすべてを「黄裳丸交配」と呼ぶのでしょか。 すべてを「黄裳丸交配」と呼ぶとすれば、有星類と同様に植物の基本である原種の保存等に強い懸念を抱きますし植物の種類の混乱は必死だと思います。 そうでないとすればキチンと交配種を記載してほしいと思います。 また個人名のついている物が氾濫していますがどんなに素晴しい物でも、これはすべて交配雑種と思いますし、作出過程はほとんど不明でしょうから原種の保存を考えるとどうすれば良いのでしょうか。 学名についてはもっと判りにくいと感じています。 例えば「兜は Astrophutum asterias Lem.」で「スーパーアステリアスは Astrophutum asterias “super”」となっています。兜は純粋な原種であることを考えるとスーパーアステリアスは兜の亜種、変種、又は品種となるのか又は原種なのか判りません。 また、スーパー兜は「Astrohutum asterias cv. “SUPER KABUTO”]と「日本カクタス社の原色サボテン辞典では記載されていますが、cv.の説明では「栽培中に原種から発生した突然変異を意味する」または「園芸品種」とあります。 原種からの突然変異ということであれば、スーパー兜は「兜 × スーパーアステリアス」なので原種から作り出されたものではないのでただの交配雑種であると思いますがなぜ cv.となっているのか判りませんし交配雑種との区別も理解しにくいです。 また、学名は「Astrohutum asterias cv. “SUPER KABUTO”]ではなく「Astrohutum asterias ×Astrohutum asterias super]としないのか、このようにするとはっきりと判るのですが? このようなことを考えるといろんな栽培種、交配種、選別種が作られていますが、ほとんどが交配雑種ではないかと疑いたくなります。 他の趣味家やサボテン業者さんたちはどう思っているのでしょうか? 17.寄植えについて(寄植えは本当に成長が早い?) 寄植えは根が絡み合って成長が促進されるとあるが実際に栽培して見ると一概にはいえないようである。 短い経験ですが、同じ種同士の寄植えと同じ種ではなく混在している場合では成長に差が出るような気がしますし、多肉植物では同じ種でも生育が悪くなるような気がします。 根が絡み合うほどになると同一種では感じないが、いろいろな種が混じって寄植えしている物は根腐れが起きる確立が高いようで多肉植物では同一種でも根腐れする確立が高いように感じます。 植え替える時は苗一つ分くらいあけて寄植えを行うと思うが、成長がいいのは植え替えてから苗と苗の間がかなり狭くなるまでの間であり、それ以上になると根腐れの確立が高くなるようで、根が絡み合って成長を促進しているとは思えませんが、植替えによる成長の促進は実感できるので寄植えというより植替えの効果と考えますがどうでしょうか。 18.サボテンの原産地の情報について サボテン誌やインターネット等でサボテンの原産地の状況を調べて見ても、原産地のサボテンの自生している写真は少しか掲載されていませんしその他の情報はほとんど掲載されていません。 サボテンの生育している土壌の状態や土の成分、どういう場所(傾斜地か平坦か、陽はどのくらいあたるのか、水はどのくらい含んでいるのか、サボテンの根はどのような状態か、他の生物はいるのか、細菌はどうか)等々知りたいことが沢山です。 私が原産地の状況を把握できるのは原産地で育っている写真を参考にしていろんなことを想像するくらいです。 日本の趣味家からは写真にしてもほとんど情報は得られません。 外国のサイトで原産地の写真が多く掲載されているのを見ると、それは想像もつかない場所に育っている写真に驚かされます。(原産地の写真等を含め約3000枚に及ぶ写真のホームページです) 土といえる物がないと思われる岩の上や岩の割れ目に厳然とした姿で育っているし、太平丸類や黒王丸で代表されるコピアポア属が所狭しと勇姿を見せています。 19.私の好きなサボテンランク表
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